• 喫煙ブースにスプリンクラーは必要?消防法の基準と設置前に確認すること

  • 公開日:2026/07/15  

スプリンクラー

喫煙ブースを設置するとき、受動喫煙対策として喫煙スペースを設けることは大切ですが、健康増進法だけでなく消防法にも対応しなければなりません。準備不足のまま進めると、設置後に工事のやり直しが必要になることもあります。本記事では、喫煙ブースとスプリンクラーの関係や、設置前に確認しておくべきことをわかりやすく解説します。

喫煙ブースと消防法の関係を知ろう

喫煙ブースを設置する際には、健康増進法だけでなく消防法にも対応する必要があります。火を扱う場所である以上、消火設備や排煙設備が適切に整っているか確認することが求められます。

天井があるかどうかで変わるルール

喫煙ブースには天井ありと天井なしのタイプがあり、このどちらかによって必要な消防設備が大きく変わります。天井で完全に区画された構造の場合、スプリンクラーや自動火災報知機の設置を消防署から求められるケースがほとんどです。

一方、天井のない開放型の構造であれば、スプリンクラーの増設が不要になる場合もあります。ただし、建物全体にすでにスプリンクラーが設置されている場合は、ブース内にもヘッドを追加する工事が必要です。

どちらの構造が自分の施設に合うかは、管轄の消防署に事前確認することが重要です。

消防法違反になるとどうなるか

消防法に違反した状態で喫煙ブースを設置・使用した場合、個人では3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。法人の場合はさらに重く、1億円以下の罰金となることもあります。

健康増進法や労働安全衛生法の違反よりも罰則が厳しいため、消防法への対応は後回しにできません。

スプリンクラーが必要になるケースとは

喫煙ブースにスプリンクラーが必要かどうかは、ブースの構造や施設の状況、また建物の用途によって異なります。「設置してみてから確認する」では遅すぎるため、計画段階で消防署に相談することが大切です。

スプリンクラーが求められる構造の条件

天井で完全に囲われた喫煙ブースを設置する場合、消防法に基づいてスプリンクラーや自動火災警報器、消火器などの消火設備と排煙設備の設置を求められるケースがあります。建物全体にスプリンクラーが設置されている施設では、ブース内の天井にもスプリンクラーヘッドを増設する工事が必要になるのが一般的です。

スプリンクラーヘッドの位置をずらす作業や、水タンクの容量が不足している場合にはタンクの交換なども生じるため、費用や工期が想定より大きくなることもあります。設置する建物の構造や用途によって対応が異なるため、事前に専門業者や消防署と相談して進めることが求められます。

消防署への届出に必要な書類

喫煙ブースを設置する前に、管轄の消防署を訪れて事前相談を行う必要があります。このとき、施設の平面図と天井伏図(天井の設備配置を表した図面)、そして設置を検討している喫煙ブースのカタログや資料を持参すると話がスムーズに進みます。

消防署に提出が必要な書類は主に2種類あります。ひとつは「防火対象物工事等計画届出書」で、工事の開始前に提出します。もうひとつは「防火対象物使用開始届書」で、使用開始の7日前までに提出が必要です。

スプリンクラーヘッドをブース内に増設する場合は、通常スプリンクラー工事業者が書類作成を担当します。住宅用下方放出型自動消火装置を設置する方法を選んだ場合は、「基準の特例等適用申請書」の提出が必要になります。

スプリンクラーを避ける設置方法もある

スプリンクラーの増設工事が難しい場合でも、消防法をクリアするための別の方法が存在します。構造の工夫や機器の選び方によって、工事の負担を抑えながら法令に対応できる場合があります。

天井なしブースや循環型で対応する方法

スプリンクラー増設の負担を避けたい場合、天井まで届かないパーティションで区画し、上部を開放した構造にする方法があります。この場合、建物全体のスプリンクラーがブース外側にも機能するため、ブース内への増設が不要になるケースも多いです。

また、屋内循環型の喫煙ブースを選ぶ方法もあります。煙を屋外に排気するのではなく、ブース内でフィルターを通じて浄化し室内に循環させるタイプです。このタイプは排気ダクト工事が不要なため、賃貸テナントなどで建物に手を加えにくい場合にも対応しやすくなっています。

ただし屋内循環型は、浮遊粉じんの濃度や有機化合物の除去率など、厚生労働省が定める技術的基準を満たす性能が必要です。

消防署に相談する前に準備すること

消防署へ相談に行く前に、施設の平面図・天井伏図・設置予定ブースのカタログを揃えておくと話が早く進みます。設置場所が賃貸テナントやビルのテナントである場合は、消防署への相談と並行して管理会社またはビルオーナーへの事前連絡も必要です。

連絡の際には、設置する喫煙ブースの種類・設置時期・施工方法・消防設備の見積もり結果なども伝えるようにしましょう。自分が所有する建物への設置であれば、オーナーへの連絡は不要ですが、消防署への届出と相談は必ず行う必要があります。

不明な点は喫煙ブースの販売業者や設置業者に相談することも有効です。

まとめ

喫煙ブースの設置には、消防法への対応が欠かせません。天井で区画された構造にする場合は、スプリンクラーや自動火災報知機などの消火設備の増設が必要になることが多く、事前に管轄の消防署へ相談することが求められます。届出書類も複数あり、使用開始の7日前までに提出しなければならないものもあります。スプリンクラー工事が難しい場合は、天井なし構造や屋内循環型のブースを選ぶことで対応できることもあります。いずれにしても、設置前に消防署と専門業者に相談しながら進めることが、トラブルを防ぐうえで最も重要です。法令に沿った形で喫煙ブースを整備することで、従業員や施設利用者の安全を守る環境を実現できます。

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スモーククリア/(株)エルゴジャパンの画像 引用元:https://www.ergojapan.co.jp/smokeclear/

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