飲食店における喫煙ブースの導入メリットを紹介

飲食店で煙草を吸う人・吸わない人の両方が快適に過ごすためには、分煙への取り組みが欠かせません。本記事では、飲食店に喫煙ブースを設けるメリットについて詳しく解説します。また、飲食店における喫煙ルールや喫煙ブースの設置基準もあわせて解説するので、ぜひご一読ください。

飲食店に喫煙ブースを設けるメリット

飲食店に喫煙ブースを設置することには、いくつかの明確なメリットがあります。順番に見ていきましょう。

喫煙者のニーズへの対応

まず一つ目は、喫煙者のニーズに応えられる点です。近年、飲食店の多くが全面禁煙となる中で、喫煙者にとって「店内で快適に喫煙できるかどうか」は、来店を決める重要なポイントとなっています。喫煙ブースを設置している店舗は、喫煙者からの評価が高く、リピーターの獲得につながりやすいのです。特にビジネス層や愛煙家が多い地域では、喫煙可能な飲食店であることが他店との差別化となり、集客力の向上にも寄与します。

法律遵守・トラブル回避

次に、法律遵守やトラブル回避の観点も大きなメリットです。多くの地域では路上喫煙が禁止されており、店舗前での喫煙が問題視されるケースも少なくありません。大阪市の条例のように、私有地であっても禁止エリアに指定される場合があり、店頭に灰皿を設置していた飲食店では撤去や移設を余儀なくされることもあります。

こうした状況下で、店内に適切なルールに沿った喫煙ブースを設けることで、他のお客さんへの迷惑やトラブルを未然に防ぐことが可能です。また、店舗スタッフが喫煙者と非喫煙者の両方に配慮しながら営業できる環境を整えることにもつながります。

飲食店における喫煙ルール

飲食店における喫煙ルールは、改正健康増進法の施行により大きく変わりました。もともと2002年に公布された健康増進法の一部を改正したもので、屋内の喫煙に関する規制が強化されています。2019年7月には学校や病院などの施設内での喫煙が原則禁止とされ、その後2020年4月からは飲食店やオフィスなども屋内は原則禁煙となりました。

これにより、違反した場合には施設管理者には50万円以下、喫煙者には30万円以下の過料が科される可能性があります。改正健康増進法で特に重要となるポイントは3つあります。

原則として屋内禁煙

まず、原則として屋内禁煙であることです。喫煙を希望する場合は、国の定めた基準を満たした専用の喫煙室を設置する必要があります。施設によって分煙対策や禁止内容に違いはありますが、屋内での喫煙はこの専用スペースに限られます。

20歳未満の喫煙エリア立ち入り禁止

次に、20歳未満の方は喫煙エリアへの立ち入りが禁止されています。これは従業員であっても例外ではなく、未成年者が誤って入らないよう管理することが求められます。

国の定めた基準を満たす必要がある

さらに、喫煙室を設置する場合には施設ごとに種類や設備が異なりますが、必ず国の基準を満たす必要があります。そして、喫煙可能な設備を持つ施設には、指定された標識の掲示が義務付けられています。紛らわしい標識の掲示は禁じられており、違反すると罰則の対象となるため、注意が必要です。

喫煙ブースの設置基準

飲食店において喫煙ブースの導入は、工事の手間が少なく省スペースで設置できる点から、非常におすすめの方法です。ただし、喫煙ブースであれば何でも良いというわけではなく、改正健康増進法で定められた国の基準を満たしている必要があります。

具体的には、まず喫煙室入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2メートル毎秒以上であること、次にたばこの煙が喫煙室外に漏れないように壁や天井などでしっかりと区画されていること、そしてたばこの煙が屋外に排気されることが求められます。

特に屋外への排気を行う場合は、ダクト工事が必要となるため、工事が難しい施設ではハードルが高くなることも少なくありません。そのような場合に有効なのが、ダクト工事不要の「脱煙機能付き喫煙ブース」です。これは屋外排気が難しい施設でも設置が認められており、改正健康増進法に準じた基準を満たすことが条件となります。

「脱煙機能付き喫煙ブース」では、喫煙室入口の空気流量が0.2メートル毎秒以上であることに加え、総揮発性有機化合物（TVOC）の除去率が95％以上であること、さらに室外に排出される空気中の浮遊粉塵が0.015mg/㎥以下であることなどが技術的基準として定められています。

まとめ

飲食店に喫煙ブースを導入することで、喫煙者・非喫煙者の双方が快適に過ごせる環境を整えることができます。喫煙者のニーズに応えることでリピーター獲得や集客力向上につながり、法律やマナー面でもトラブルを防ぐ効果が期待可能です。改正健康増進法により屋内喫煙は原則禁止ですが、国の基準を満たした喫煙室やブースの設置は認められています。特に、省スペースで工事不要な脱煙機能付き喫煙ブースは、屋外排気が難しい施設でも設置可能で、空気流量や有害物質の除去率など厳しい基準をクリアしているため安心です。安全性と利便性を両立させ、快適な飲食環境を提供できる点が大きな魅力です。