• 喫煙ブースの設置基準を徹底解説!法律・消防・標識まで

  • 公開日:2026/06/15  

設置基準

2020年4月に改正健康増進法が施行されたことで、オフィスや飲食店などの屋内は原則禁煙となりました。喫煙ブースを合法的に設置するには、法律・消防・標識などのルールをクリアする必要があります。本記事では、設置前に知っておくべき基準をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

喫煙ブースに関わる法律の基本

喫煙ブースを設置するには、まず法律の仕組みを理解することが大切です。根拠となる法律を正しく押さえることで、どのような対応を取るべきかが見えてきます。

改正健康増進法で何が変わったか

2020年4月「改正健康増進法」が全面施行されました。この法律の最大のポイントは、オフィスや飲食店など不特定多数が利用する施設の屋内が原則禁煙になったことです。

違反した場合、都道府県知事による指導・勧告を経ても改善しない施設の管理権原者には50万円以下の過料が課されることがあります(第76条)。また、喫煙禁止場所で喫煙をしている者に対して都道府県知事が中止または退出を命じた場合に、その命令に従わなかったときは30万円以下の過料が課されることがあります(第77条)。

ただし、厚生労働省令が定める技術的基準を満たした喫煙室を設けた場合に限り、その室内での喫煙が認められています。つまり、ルールを守った喫煙ブースを設置することで、施設内での喫煙環境を継続することが可能です。

施設の種類で変わるルールの違い

改正健康増進法では、施設を「第一種施設」と「第二種施設」に分けています。第一種施設とは学校・病院・行政機関など、子どもや患者が多く利用する場所のことです。これらの施設は敷地内が原則禁煙で、喫煙ブースを屋内に設置することはできません。

一方、第二種施設はオフィス・飲食店・商業施設・宿泊施設などが該当します。第二種施設では、所定の技術的基準を満たすことで、屋内に喫煙ブースや喫煙専用室を設置可能です。

また、喫煙を主な目的とする施設(バーやスナックなど)は「喫煙目的施設」として別途扱われます。自分の施設がどの区分に当てはまるかを確認することが、設置計画の第一歩となります。

喫煙ブースの技術的な設置基準

法律の枠組みを理解したら、次は具体的な技術的基準を確認しましょう。数値や構造の要件が決まっており、これを満たさないと合法的な喫煙スペースとして認められません。

屋内ブースに必要な3つの技術基準

厚生労働省が定める屋内喫煙室の技術的基準は、次の3点です。1つ目は「風速の確保」で、喫煙室の出入り口における室外から室内への空気の流れが毎秒0.2m以上であることです。

2つ目は「区画」で、壁や天井などによってたばこの煙が外部に漏れないよう仕切られていることです。3つ目は「排気」で、たばこの煙を屋外または施設外部に排気する設備を備えていることです。

これら3つをすべて満たすことが、屋内に喫煙ブースを設置する際の最低条件となります。

脱煙機能付きブースの性能基準

屋外への排気が難しい場合は、「脱煙機能付き喫煙ブース」という選択肢もあります。これは室内の空気を清浄・循環させるタイプで、ダクト工事が不要なため導入しやすいのが特徴です。

ただし、厚生労働省が定める技術的基準(TVOC除去率95%以上など)をクリアしたうえで、3か月ごとに性能を計測・評価し、レポートを作成することが義務付けられています。法律上の経過措置として、建築時期によっては屋内排気が認められる施設もありますが、対象条件が限られているため事前の確認が必要です。

屋外ブースと屋内ブースの違い

屋外に喫煙スペースを設ける場合は、屋内喫煙室とは異なる基準が適用されます。屋外では壁・天井による完全な区画や排気設備の設置は必須ではありませんが、受動喫煙が生じないよう周囲の状況に配慮する義務があります。

第一種施設の敷地内では「特定屋外喫煙場所」として3つの要件を満たす必要があり、すべての施設が自由に設置できるわけではありません。屋内・屋外のどちらに設置するかによって対応が大きく変わるため、施設の種類と設置場所をあわせて検討することが大切です。

設置前に確認すること

技術的基準を理解したら、実際の設置に向けた手続きを進める必要があります。消防署や建物管理者への確認、標識の掲示など、見落としがちな実務上のルールがあります。

消防署と管理会社への事前確認

喫煙ブースの設置には、消防法に基づく消防署への確認と届出が必要です。設置を決めた段階で消防署の予防課に相談し、ブースのパンフレットや設置場所の図面を持参するとスムーズです。

消防法では違反の種類に応じて罰則が異なり、防火対象物の使用停止命令などに違反した場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されることがあります。法人の業務に関する違反行為については、両罰規定により法人に対しても1億円以下の罰金が科せられる可能性があります。

また、ビル内のテナントや入居オフィスに設置する場合は、建物の管理会社やオーナーへの事前連絡も必要です。施工後のトラブルを防ぐためにも、許可を取ってから工事を進めるようにしましょう。

標識掲示と20歳未満の立入禁止

喫煙ブースを設置したら、施設の主たる出入口と喫煙室の出入口の両方に、所定の標識を掲示することが健康増進法で義務付けられています。標識には「喫煙専用室があること」や「20歳未満は立入禁止」であることが一目でわかるよう示す必要があります。

20歳未満の人は、たとえ喫煙を目的としない場合や従業員であっても、喫煙エリアへの立ち入りは一切禁止です。施設の主たる出入口への標識掲示義務に違反した場合は、都道府県知事による行政手続きを経ることなく直接50万円以下の過料の対象となります(健康増進法第76条第2号)。

標識はシールタイプのものを活用し、誰が見ても迷わない場所に貼ることが求められます。

受動喫煙防止対策助成金の活用

喫煙ブースの設置費用を抑えたい場合、厚生労働省が提供する「受動喫煙防止対策助成金」を活用できる可能性があります。この制度は、受動喫煙防止のための対策を講じる事業者に対し、工事費・設備費・人件費などの一部を助成するものです。

助成金を受け取るには、労働者災害補償保険の適用事業主であることや、法律が定める既存特定飲食提供施設を営んでいることなど、複数の要件をすべて満たす必要があります。支給条件や金額は適宜見直されることがあるため、設置を検討しているなら早めに確認・申請することをおすすめします。

まとめ

喫煙ブースを設置するには、改正健康増進法に基づく技術的基準(風速・区画・排気)を満たすことが前提です。また、施設の種類によって対応できる喫煙室のタイプが異なるため、自分の施設がどの区分に当てはまるかを最初に確認しましょう。設置前には消防署への届出と建物管理者への連絡も欠かせません。標識の掲示や20歳未満の立入禁止といった運用ルールも、設置後に守り続ける義務があります。費用面では受動喫煙防止対策助成金を活用できる場合があるため、申請条件を早めに調べておくと安心です。法律・消防・運用の3つの視点から準備を整えることが、適切な喫煙ブース設置への近道です。

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スモーククリア/(株)エルゴジャパンの画像 引用元:https://www.ergojapan.co.jp/smokeclear/

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